国選報酬意見書

平成18年(ワ) 第X号 
傷害
被告人 XXXXXXX

意見書

N地方裁判所 S支部 御中

弁護人 弁護士 Barl-Karth

平成19年4月XX日

 本件について,弁護人の報酬に関し,以下のとおり意見を述べます。


1 本件が難事件であったこと
本件は,公判回数が判決を含め8回にも及ぶ難事件でした。
 また,当初私選打診のあったX弁護士がこれを固持し,国選弁護人であったY弁護士も事実上辞任したことからも分かるとおり,被告人と融和し信頼関係を構築するためには,相当の力量が必要であったものです。
 この事件は,N弁護士会,刑事弁護に関する委員会で議題となり,委員長の懇請を受けて,当職が国選弁護人を受任したものです。
2 交通実費・経済的補償の必要性
(1) 自宅(N市N区XXXX通〜XX汽船乗り場)ガソリン代
150円
(2) 駐車料金
1000円
(3) ジェットフォイルないしXX汽船特等席
6470円(季節により変動あり)
(4) XX〜裁判所 タクシー代片道
約4500円
(5) まとめ
1日辺りの往復実費は,約23240円
3 その他
(1) 公判期日以外で,被告人との接見・裁判官・検察官との面談のため,XXに1回赴いています。
(2) XXへの出張となると,当然のことながら,丸1日つぶれてしまい,外の仕事をすることもできません。
 最終ジェットフォイルに間に合わず,3時間以上寂しく暗いフェリー乗り場でお酒などを飲みながら(帰りは代行車代金が3000円かかります),時間をつぶしたことも何度かありました。
 当職は,司法支援センターと刑事弁護基本契約を締結しておらず,「これが最後の国選」と言う気持ちで,誠心誠意職務を遂行したものです。
 被告人も母Rさんも温情判決に大変感謝しており,私自身も思い出として残る事件です。
 以上の諸事情をご勘案のうえ,当弁護人の報酬算定に当たっては格段のご配慮をお願い申し上げます。