落合弁護士のブログに対抗して

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080304


 在日パキスタン人から「パキスタンの刑事裁判」のことを聞いてみた。
Q パキスタン陪審(ジャーリー)はあるの?
A ない。
Q パキスタンて一応コモンウェルスだろう? 英国法を受継してないのか?
A 詳しいことは知らない。イスラーム法が英国法より優先することが圧倒的に多い。スンナ派シーア派シャリーアが少し違う。
Q パキスタンにもシーア派は居るのか。
A バロキスタン州で若干居る。
パキスタンで法曹資格を取るには,自国の試験(司法試験?)に合格した後,(イギリスの大学に留学することも多い)イギリスのバーアソシエーションが経営する「イン(<リンカーズ イン>とか,<クリントンズ イン>とか色々あるらしい)」というところで司法修習みたいなことをして,2回試験みたいなものを受けるらしい。)
(この辺は,広島高裁 長官白木優さん<←ニクソンに顔が似ている>が詳しいかもしれない)。
Q パキスタンは刑事裁判はどうするの。
A 軽い罪の場合は,集落の長老が裁判長役をやる。集落の構成員が裁判を手伝う。たとえばさ,商店街で物を盗んだり,嫁が姑を殴ったり悪口を言ったり,酒飲んで町中でゲロ吐いたりそういうのは,コミュニティで裁判を受ける。コミュニティ構成員で話し合って「どういう刑を言い渡すか」決めるんだな。「お掃除1週間」とか「嫁は手をついて4回姑に謝れ」とか「物を盗んだ店で3日間店員として働け」色々判決を話し合って,みんなで決めるんだ。

Q 重罪はどうするんだい?
A 知らねーな。

 まぁ,そういうパキスタン刑事司法みたいな感じでとりあえず練習として裁判員裁判を試行してみるのも一興かと思う。

 「パキスタンにおける英国法の受継とイスラーム法との関係について。コミュニティにおける修復的刑事司法を一例として」みたいな論文を執筆し博士号を請求しようかと思っている今日この頃。鯰教授と西野喜一教授と原田國雄博士が論文審査したりするとかなり困る。