裁判員休暇の無理

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080911-00000049-yom-soci

社員が裁判員になる時「休暇与える?」、企業大半は未定
 来年5月に導入される裁判員制度に向け、社員が裁判員に選ばれた際の休暇や賃金などについて、半数近くの企業がすでに対応を決めていることが、民間の調査機関・労務行政研究所の調査でわかった。

 タイトルと本文がずれていないか? このタイトルなら,「半数近くの企業がすでに対応を決めていることが、」ではなく「半数以上の企業が未だに対応を決めていないことが、」と続けるべきだろう。畏敬する落合先生のブログによると,「見出しだけで名誉毀損」ということだから,その伝で行けば,これは「見出しだけで詐欺」??? よく分からない。

それはさておき,前にも書いたことだが・・・。

http://d.hatena.ne.jp/Barl-Karth/20080731

 企業が裁判員休暇に対応できないのは,至極当たり前な話で,企業を責めることはできない。すでに対応を決めているという半数近くの企業も,これから書くことを踏まえて,対応を決めているとは思えない。

 裁判員候補者への呼出状は,期日の6週間前に送達される。だから,当該期日に休暇(午前中 半日)を申し出ることは,それ自体難しいことではなく,企業も対応可能だろう。
 問題は,出頭を命ぜられた裁判員候補者が裁判員になったときに,休暇を取れるかという点である。

 裁判員および補充員に選任される者は,合計で8名くらいであるが,候補者として呼び出される者は,50名から100名である。5分の1から10分の1くらいの可能性を踏まえて,裁判員候補者は事前に数日間の公休を申し出よということだろうか? 企業も5分の1から10分の1の可能性を踏まえて,裁判員休暇に対応せよということなのだろうか? あまりに不効率かつ非現実的な話でないか? 
 それとも,裁判員候補者が裁判員に選任されたら,その後直ちに数日間の休暇を申し出よ(企業もその申し出に応ぜよ)ということなのか? 裁判員候補者が裁判所に出頭するのは午前中,裁判員の選任も同じく午前中,審理が始まるのはその日の午後である。裁判員に選任された者は,携帯電話か何かで,上司や総務課に口頭で数日間の休暇を申請するということになる。
 これは,裁判員にとっても企業にとっても迷惑千万な話,非効率かつ非現実的な話であろう。

 スケジュールとして現実的なのは,
1 公判期日の6週間前に呼出状発送。
2 公判期日の3週間前に選任手続。→裁判員は,勤め先に休暇申請
3 公判期日 裁判員および補充裁判員のみが出頭
 ということなのだが,そういう制度になっていない(俺のアイデアをパクったら承知しないよ>与党+民主党の法務委員会委員,法務省)。

 事柄は「公休」だけでなく幼児の一時預かり,老親の世話(デイケア)でも同様だ。キャンセル料はもちろん託児料・デイケア料金自体も国費から支出されない。

 それにしても,役人のやることは・・・と思う。