キリスト業界は村社会(聖神中央教会)

(多少編集 オリジナルが操作ミスで消えてしまったみたいなので再録します)



  「聖神中央教会」の件が話題になっている。
 この教会は、キリスト教年鑑(教会関係年鑑として一番権威がある)にも聖神世界教会総会の中で掲載されている。つまり、3大異端と言われる教派とは異なり、一応まともなキリスト教と分類されている。決してキリスト教新宗教とか新興宗教とは扱われていない。

 同教会の教義を見ても

1 聖書の霊感
2 使徒信条
3 十字架の贖いと信徒の新生

という、福音派ならどこでも書かれている内容で、

 最後にちょこっと「聖霊バプテスマを信じる」と書いてあって、「ファンダメンタルなカリスマ派−設立年代から見て、おそらく第三の波−」と言うことが分かる。
 教会政治形態(監督制・長老制・会衆制)ははっきりしない。自称する卒業神学校から見ると長老制かもしれない。
 要するに、普通の教会のわけだ。
 少なくとも教義や教会の紹介だけでは、主管牧師が強姦常習者(まだ被疑者だが)とはとても分からない。ただ、おや? と思うことが一点だけある。信徒数90名の教会に牧師(あるいは副牧師・伝道師、以下「牧師等」と言う)が8名、同じく62名の教会に牧師等が6名配されていることだ。これは、一般信徒に献身者が多いことを意味し、献身の慫慂が強く行われていることを窺わせる。

 キリスト教会のカルト化・教会による虐待はすでに数年前から日本でも言われているし、ブックレットも出版されている。しかし、「どこ」と名指ししていない。分かる人には分かる形で書いてはいるけど、『分かる』人はそもそもカルト化教会の被害には会わない。

 実は、それらブックレットの販売よりずっと前(1993年)にルーテル神学大学の工藤信夫先生が 『信仰による人間疎外』(いのちのことば社)に同じような問題に触れている。

 また、私自身「カルト対策」で高名な神学者−名前を言えば誰でも知っている−と話したことがある。「実は普通のキリスト教会でも、マインドコントロールは行われているのではないか、という短いエッセーを書いたら、猛然と批判されてしまった。それ以来、ちょっと私は、その問題は避けているのだけど、いろいろ,『普通の教会』の人から相談を受けることが多い。」とその先生は話してくれた(ごく内輪の話として)。

 聖職者やカルト問題専門家(私も一応霊感商法関係の弁護団に入っているし、学術団体の会員でもある)の集まり、地域の聖職者の集まりで、(非公開の内輪話として)、「○○教団は、危ない」・「実は、うちの教団でもちょっと問題があってね」ということが語られる程度で、公の出版物やインターネット上の「公式」情報として、カルト化キリスト教団が名指しされることは、殆どなかった(唯一の例外は、ハーザー誌における「tlccc 主の十字架クリスチャンセンター」特集)。

 http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2005040600107&genre=C1&area=K00

によると聖神中央教会被害者の会の代表はアッセンブリー京都教会の村上密牧師である。被害相談は、ここ数ヶ月前から始まったものではないはずだ。しかし、村上牧師(この方も統一協会信者救出で有名な方)からの情報発信はなかった−秘密やプライバシー優先だったのかもしれないが−。

 どうもおかしい。乱暴な言い方をすればキリスト業界は村社会じゃないか? リベラルやカトリックが声を上げないのは、仕方がないかもしれない。しかし、福音派ペンテコステ・カリスマ派はこの種の情報に日常的に接していたはずだ。穏当な福音派ペンテコステ・カリスマ派が、カルト的教会に羊泥棒されるというのは、少なくないはずだからだ。



キリスト教界のカルト化問題に関する声明文、発表へ
 日本福音同盟(日本の諸教会の前進と、日本における健全な教会形成を願っている教会の協力機関)が、日本の教会の一部が健全なあり方から逸脱していることを憂い、警鐘を鳴らす声明文を作成し、近々、発表する予定です。

http://www.gospeljapan.com/helpcult/news13.htm#4

とあるのだが、肝心のJEAサイト

http://www.jeanet.org/

には、まだ、声明文は発表されていない。

 どうなってんだろう?