あきれ果てたライブドアのPJニュース

ライブドアには,「パブリック・ジャーナリスト」と言うの(以下,「PJ」と記す)を募集していて,PJから「随時、原稿を投稿していただけますが、livedoor ニュースへの掲載につきましては、弊社デスクのチェックを通った原稿のみの掲載となります。」由である。

http://news.livedoor.com/webapp/project/ 参照

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1498360/detail

借金払いたくないから偽装破産!得するのは誰?
の記事だが,本当に「弊社デスクのチェックを通った」ものなのか?

私は他人の言動で怒ると言うことはまずないのだが,このような記事,そして「デスクのチェックを通した」ライブドア社に怒りを覚える。
当該記事のどこがおかしいかは,外の法律家のウェッブサイト
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/ を経由するといくつか見ることが出来る)
を参照して欲しいが,何よりも弁護士を依頼して自己破産(免責)決定を得た市民に聞いてみるのが一番だろう。
弁護士は収益を上げないといけないから,依頼者は,安くない弁護士費用を払う。私の場合は,預かり金5万円,手数料35万円(+消費税)だ。仕事が全部終わったときに,預かり金の残額をお返しする(外の事務所より,やや高いかも知れない)。
この記事の執筆者渡辺 直子【兵庫県】氏が言うような,「着手金20−50万円、プラス報酬額20万−50万円」などもらえたらとても嬉しいが,零細企業経営者の自己破産(たいてい個人保証をしており,その上,複数の連帯保証人がいる)でも,これほどもらえるものじゃない。
そのうえ,月2−3万円の分割を踏み倒されることも珍しくない。
渡辺 直子【兵庫県】氏は
「だが、弁護士に支払う費用が、借金の返済額よりも上回る事態が起きることも想定しておくべきであろう。偽装破産をするには、どのくらいの費用が必要なのか。偽装破産で得するのは、誰なのかお知らせしよう。」と,あたかも弁護士が代理人となる場合の費用が極めて高額であるうえ,そのほとんどが,「偽装破産」であるかのごとく主張する。
渡辺 直子【兵庫県】氏によれば偽装破産とは「借金を返済したくないので自己破産」する行為を言うらしい。
自己破産の依頼者は,「返済したくない」というより,「返済できない」のである。「借金を返済したくないので自己破産」という氏の意味不明な「定義」を善解すると,「借金(の一部)を返済するに足りる資産を隠して,『返済したくない』という理由で行う」自己破産なのだろうが,サラ金等から借り入れせざるを得ない人がとうとうパンクして,弁護士に相談する際には,換価可能な高価物など持っていない(不動産は別)。相談者が一番気にするのは,乗用車なのだが,聞いてみると走行距離10万キロを超えており,資産価値は,10万円以下なので,手放す必要はない。
渡辺 直子【兵庫県】氏の記事は,断言するが,そのほとんどが,誤りであるか,意味不明であるかである。
このような,有害な原稿を「デスクのチェックを通」したライブドア社の責任は極めて大きい。
「偽装するために虚偽の書類を裁判所に提出したことは、犯罪行為である。つまり、市民が偽装破産すると、弁護士に着手金と報酬金を支払ううえ、犯罪行為の事実に対して、罪悪感という心理的リスク(以下略)」という記載は,弁護士のほとんどが犯罪者・詐欺師であり,裁判所も犯罪行為を見抜けないうつけ者である,と断じているのに等しい。何よりも懸念される悪影響は,かかる悪質な記事を信じ込み,悩んでいる市民の足が弁護士から遠ざけられ,事件屋,整理屋,整理屋と提携する悪徳弁護士の餌食となることである。
この記事については,明日,プリントアウトした上で,日本弁護士連合会関係委員会事務局に申告する。
もちろんこの記事も,ライブドア社・渡辺 直子【兵庫県】にもメール投稿する。