法務省勤務中の葉玉匡美さんの思ひで

http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/
を運営している葉玉匡美さんと私とは,実は同期なのだ。葉玉さんは,私のことは覚えてないと思うけど,しかし私を含め,研修所の同期生はほぼ全員,おそらく葉玉さんのことを今でも覚えているだろう。
葉玉さんは,同期生より2年前に司法試験に合格していたのだが,敢えて合格年度に修習生にならず,某予備校で講師をしていた。
他方,私は,口述試験に落ちてしまい,同予備校で時給3000円くらいで雇われ,会社法のマニュアル本とか,模擬試験の問題・レジュメ作り,一通○百円で論文答案の添削(7割が箸にも棒にもかからない21・5点答案。最低合格レベルは,25・5とされている)などの下働きをしていた。当時の予備校本部は,○大法学部○沼書店近くのクラシカルなビルであった(もう取り壊されたかも知れない)。
近くに葉玉「先生」のデスクがあり,謦咳に接したことはあるのだが,私とは違うタイプの人で,ものすごくエネルギッシュで声もでかく,近辺にオーラが漂っていた。小心者の私は,葉玉「先生」が怖いので,口をきいたことはなかった。
葉玉さんは,私と同期で研修所(湯島)の門をくぐったのだが,なんか同期修習生がある人に「先生おはようございます」とか「先生のご指導で・・・」とか挨拶していた。挨拶されている人が誰なんだろうと思ったら,葉玉さんだった。そりゃ同期生に「教え子」は数百人はいただろう。クラス(当時は1クラス40人程度)が違ったので,その後,特に言葉を交わすこともなかった。
やっぱり葉玉さんは,検事任官後もクリエイティブな仕事がお好きらしく,法務省でお仕事をされているらしい。現場レベルでは,会社法のめまぐるしい改正で頭がクルクルしているのだけど,やっぱり,やりがいのある仕事なんだろうねぇ。
私も口述試験に落ちなければ一期早く入所できたので,答案採点で名前に記憶が残っている同期修習生は10数名はいた。でも,添削の際はペンネームを使っていたので,私が「添削者」だということは誰も気づかなかったと思う。
「あなたの文章・論理展開・結論の出し方はとても素直で感服します。仮に今年の試験に落ちても来年は絶対に合格します。がんばってください」と添削したり「あなたの答案の構成は学問的見地から見ると優れているとは思いますし,つけいる隙がないほどのできばえです。したがって,26M点を差し上げますが,なんか異様な感じがします。学問的・理論的レベルを多少落としても分かりやすい答案を書いた方が良いように思えます。老婆心ながらのアドバイスです」とか添削した連中が同期なのですね。
私の同期生も,あと2−3年で地裁部総括とか田舎検察庁の次席・中規模庁の三席くらいになるころだろう。当地に来たらネチネチいじめてやるから覚悟してちょうだいね(ワラ)。
葉玉さんと同期で,法務省○○局の役人をやっている人がいる。Hという名前なので,「ヒロポン」とあだ名されていた。お別れ会の際シュブシャブを食べて「ヒロポン,シャブだぜ。1グラム6000円だぜ」とか,からかったらものすごく怒っていた。検事になる人は,正義感が強いんだね。その人とは数年前熱海でお会いしたので「どうせ俺なんて特殊弁護士ブラック・リストに乗っているのだろう。法務省に籠もって何の仕事やっているの?」と聴いてみたら,「え? 知らないよ」とバックられてしまった。検事から自白を引き出すのは難しい。