聖書律法と実定法の関係

弁論要旨(無罪主張)・ハーザーの原稿の執筆に追われている。3−4日前は,受け持ち捜査弁護(私選)の「勾留延長に対する準抗告」でエネルギーを使ってしまった(前回の準抗告は一部認容だったのだが,今回は全面棄却で脱力した。。。まぁ,勾留延長請求(決定前)に際して勾留担当裁判官に意見書を出して,3日ばかり勾留期間を減らしてもらったのだけど・・・柳の下に童女はいない?? 被疑者−またしても外国人の人−に会いに行って−準抗告却下の件を伝えたら,全然めげない。被疑者はクリスチャンで「聖書を読みたい」と言うことなので,被疑者の母語と日本語の対訳聖書を入れた−その外,「数字パズル」等の雑誌−とても喜んでいた。−○○さん,時間つぶしかも知れないけど聖書を読んで祈っていてください。私もあなたのことを憶えて祈ります−と述べたら,ニコニコしていた。娑婆に出たら関係者と一緒に祝杯を挙げる予定)。
お陰様で「にいがた東響コーラス」の出演オーディションに落ちた。妻の電気キーボード伴奏により2階の書斎で練習した(1階にはグランドピアノがあるのだが,長男の友達が遊びに来ているので,2階で練習した)。「一夜漬け」はあるけど「3時間前漬け」なんて聴いたことないわと怒られながら,オーディションの3時間前から練習した。妻から「イタリア語もリズムもピッチも全くお話にならない。<タマゴ>じゃない<ディアマゴ>じゃ!! フレージングが分からない? そんなことを言う前にちゃんと楽譜通りに歌え!! 」と叱られた(ヴェルディ トラヴィアータ 「乾杯の歌」の合唱部分。いわゆる「ハッテンバ」というらしいが,不道徳な歌だね)。

オーディションでは,ソプラノ・アルト・テノール・バスが各々ソロ(四重唱・アンサンブル)で歌う。その後,合唱指導者が採点する。私の顔とネームプレートを見ながら,採点者が「採点表」みたいなものに何か書き込んでいたのだが,書き込みに要する時間が外に比べて長いのだ。「これは,不味いのではないか」と思った。

またしても「ハイCテナー熊のプーさん(T大学−H学部−合唱団出身らしい。東京の東響コーラスで<マタイ受難曲 バッハ>を全部暗譜で歌ったそうだ)」に負けてしまったようだ。しかし,当地では,政令指定都市記念コンサートで第九(ソプラノソロは高橋薫子様)・ローエングリン等を歌うのだ。だから気持ちを切り替えて頑張ろう(ドイツ語はイタリア語より歌いやすい)。

書きかけのハーザー誌連載の原稿「聖書と法律」から少しだけ抜粋する。


日本国憲法
日本国憲法も同様で,マッカーサーの下僚であるアメリカの法律家がGHQ本部で鳩首会談して急遽作り上げたものである。詳細な分析は省略するが,プロテスタント自然権思想,ホッブズ・ロック的社会契約論(英国プロテスタント政治哲学)があちこちに散りばめられている。憲法の前文にはリンカーンの「人民の,人民による人民のための政治」がほぼそのまま再現されているのである。英語ができる読者は,日本国憲法を原典の英語で読んでみると良いであろう。日本語では確かに悪文だが英語で読むと達意であり,のみならず格調高い。


3 商法・民法
「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。」
日本聖書協会 新共同訳聖書 マタイによる福音書6章24節

この有名な聖句は,実は日本の商法の中にも規定されている。「Xという会社(店主)の支配人(店長)は外の会社や店主に雇われてはいけない」,というものである。


建築基準法
旧約聖書には,「建築基準法」みたいな律法がある。申命記22章8節に「屋上には必ず手すりを付けよ」と書いてある。「手すり」さえ付ければ,屋上から誰かが落ちて死んでしまっても家の所有者に責任はない。ただし,手すりの大きさは,「ノアの箱船の設計書(長さ150メートル 幅25メートル 高さ15メートル等々 高窓をどこそこに付けよ)創世記6章15節以下」みたいな詳細な規定はない。
「3階の窓には,柵を付けよ」ということは,旧約聖書にも新約聖書にも書いていない。だから,窓から落ちて死んだ人がいても当該建物の所有者には罪はない。窓際で居眠りした者が悪いという他ない。
ユテコという若者が窓に腰をかけていたところ、パウロの話がながながと続くので、ひどく眠けがさしてきて、とうとうぐっすり寝入ってしまい、三階から下に落ちた。抱き起してみたら、もう死んでいた。(使徒行伝20章1節〜12節J-バイブル1st「口語訳」−いのちのことば社−より)。