司法試験は世上いわれているほど難しい試験ではない

最近,
落合洋司先生
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/
黒猫先生
http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/965ec3b9f3e6cb982b8b816265b50e1a
が司法試験の勉強法等について書いておられるので,私も少しばかり思い出話を書いてみる(45期)。

http://blawg.ring.hatena.ne.jp/
で一番修習の期が若いのはたぶんtamago先生なので,同先生も受験思い出話(40年以上訂正 若輩者より20年くらい前だったり)を書かれたりするとますます気持ちが若返ったりするのではないかと思う。

私は,横浜方面にある ある私立大学の出身である。在学当時,社青同の一部過激派が暴れ回って,2〜3人内々ゲバで死んでしまった。
私は当時の自治会に反発しつつ司法試験の勉強に明け暮れていた。「966教室」・「1702教室」を受験生仲間が不法占拠し,机や教科書を持ち込んで公式の大学講義やゼミに出席したり自主自習したりともかくひたすら勉強していた。
憲法佐藤幸治),民法(我妻先生),刑法(団藤重光・荘子邦雄)の教科書を約40分読み,その後20分はキャンパス周辺を徘徊・散歩して思索にくれた。かような反復継続的勉強を日中5−6回繰り返した。
暮れようとする夕日をば仰ぎながら死んでいくセミを解剖したり,岸野にひっそりと咲いている すみれ を眺めた上軽やかな足取りで踏んづけてみたり,「第九」を口ずさんでひたすらドラクエをやったりしながらdenkenしていた。denken(お散歩・徘徊の時間)が終わるとまた教科書を読む。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~papageno/page147.html

http://www.geocities.co.jp/mani359/mei0504sumire.html


当時私が受験していたころの旧司法試験における公式の競争率は2パーセント程度であったが,実際はそれほど難しい試験ではない。

短答式試験憲法民法・刑法)は,全受験者の50パーセント以上が正解している問題を全部正解するとベスト20くらいで合格する。どうだ。案外簡単だろう。

その次の論文式試験も,確実に短答式試験を合格すれば競争率は15パーセントくらいなのだ。だから,6回程度受験すれば合格できる。
私の選択科目は「刑事訴訟法」「国際私法」「会計学」であった。その他,悪友の誘いに乗り法哲学法社会学・日本政治史・聖書学・マルクス主義の勉強もしてしまった。

最後の口述試験はよほど成績が悪くない限り合格する(私は落ちた)。

どこの誰だか分からないけれども「旧司法試験」が「暗記・受験秀才に有利な試験」だとか批判している。しかし,私の経験からいわせてもらえば,かような批判はハマルキアなものだ。私は秀才ではなかったし,一番嫌いなのは「暗記」だったのだ。ひたすらdenkenしていた。
「一発試験」という批判も,私からいわせれば的外れなものである。一発試験に「一発で受かる」人は少数なのであって,2−6発で受かるのが凡才である。その当時,私はお金もないし,実家からの仕送りもほとんどなかったので,アルバイトをしながらひたすら勉強した。横浜に在る ある勉強会(三浦会・ギョロメ会)で答案練習をした後ひたすら議論した(「Barl君は論文では結構まともなことを書いているのだが,議論をすると<山瀬まみ>見たいなしゃべり方をして,論理性がぶっ飛んでいて,何を言いたいのか分からない」といわれたらしい)。
私の周りにいる受験生も碌な人間はいなかった。三里塚で○○瓶を投げて逮捕されたとか,やくざの息子とか,少年院出身とか,在日朝鮮・韓国人とか,そういうマイノリティな世間から顰蹙を買う連中ばかりであった。そういう連中が合格していた(「俺の父親は東大で銀時計をもらった」とほざいていた馬鹿息子は,いつの間にか受験団体から消えていた)。

(旧)司法試験第二次試験に合格し司法研修所(湯島)に通い出した後も「日共の女闘志」と喧嘩したり,四国出身の「狐目の女(未だ裁判官をしているはず)」とご飯みかんを沢山食べて黄疸を疑われたり,良い思い出はほとんどない。
http://www.40net.co.jp/~kunie/enshu/resu11.htm