グリークの楽譜

朝起きて間もないころ,妻がDVD(PDF楽譜てんこ盛り グリーク・メンデルスゾーン)を差しだし,
「この譜面を印刷してきてくれないか?」
と要請してきた。
「なんの曲?」
「グリークのノクターン
「英語ではなんという題名なの」
グリーグス ノクターン か ノクターン コンポーズド バイ グリークだと思う」(さすがに国立−クニタチではない−を出た人は違うと思った)
とのことであった。
事務所で昼休み中,上記要請を思い出し,DVDを開いてみたら「グリークのノクターン」なんて収録されてない。その旨,自宅に架電し妻に話したら
「グリークのピアノ曲は全部はいっているはずだからよく検索しろ」
と言われた。あれこれ記憶を喚起してもらったところ
ノクターンじゃなくってバラード ノルウェー民謡の旋律を基にした変奏曲バラードだったわ」
といわれたので,よく検索したら「Ballade In The Form Of Variations On A Norwegian folk Song Op.24」
という楽譜が見つかったので,印刷してカバンに入れた。
その日は,法科大学院エクスターンシップ終了記念懇親会があり,2次会(ホテルイタリア軒)で昔オーケストラでファゴットを吹いていたという女性院生と話をした。コントラファゴットは300万円以上するということらしい(私の家にあるグランドピアノとさして変わらない値段なので驚いた)。このため,カバンは事務所に置いてタクシーで帰ってきた。
今日仕事を終え,印刷した楽譜を視唱(初見)したら,アウフタクト以下3小節は「春が来た」そっくりだった。4分の3拍子(アウフタクト8分 付点8分 16分 4分 4分) 。
そういえば,この曲を取り上げたコンサートNHKで放映されていて,妻はとても懐かしがっていた。大学で勉強したらしい。
「こんなだらだらした暗い曲のどこが良いのか」
と尋ねたら,
「こういう裏日本海的な曲の良さが分からないのは,趣味が偏っている。第九に出演するのだって邪(よこしま)な思いなのだろうし,そういう動機で第九を歌うとベートーベンが化けて出るぞ」と言われた。
滝廉太郎ピアノ曲「うらみ−憾−」という曲も大学時代に弾いたらしい。かなり屈折している。
卒論は「五箇山における民謡コキリコ節の節回しに関する一考察」というもので,論文の骨子は「こきりこ節は正調に近い曲ほど歌い方が単純で,小節−コブシ−を付けない」というものだそうだ。学問的価値があるかどうかは,浅学なので,評価できない。
私の卒論(ゼミ論)は「消費者運動の刑事法的限界に関する一考察−ユーザーユニオン事件を手がかりとして−」であった。
今日久しぶりに早く家に帰ったらお弟子さんにイナバウアーの曲とか革命とかを教えていた。