我が青春の蹉跌2(口述試験不合格)

 前のエントリで記したとおり,私が司法試験第二次試験のいわゆる論文式試験に合格し,口述試験に落第したのは,平成元年であった。

 「司法試験第二次試験のいわゆる論文式試験に合格したから,通知する。口述試験の予定は以下のとおりであるから,出頭されたい」みたいな合格通知が郵送されたので慌てて口述試験の勉強をした。

 横浜のストゥーディオ(妙蓮寺)から,東急東横線の渋谷まで電車に乗り,その後渋谷のバスターミナルから試験会場に向けてバスに乗った(三軒茶屋行きだと記憶しているが,良く覚えていない。試験会場は「法務総合研究所」という怪しげな施設であった,)バス中には,これから口述試験を受けると思われる人が沢山いた。受験生とおぼしき女性(ちびまる子ちゃんに似た風貌の女性で,慶応大学4年生だという。比較的珍しい名前)が私に話しかけてきた。何でも清宮四郎先生が亡くなったそうで,憲法の試験委員は,お葬式に出かけるため憲法の試験が中止になったとか,試験が早めに切り上げられるとか言うことだった。ガセネタ女が与太話をしていると思ったら,本当に清宮四郎先生は亡くなっていた(翌日の新聞に載っていた)。

 バスから降りると,当該の女性に恋慕している男性(その男は私と一緒の研究室で勉強していたので,面識があった。雑談で慶応卒のちびまる子ちゃん似の女性の話を折々していた)が既に受験会場に待機していた。

 「手をつないでバスから降りましょう」と述べたら,そうしてくれた。

 一日目の口述試験が終わった。私と同期(かそれより前)の人は知っていると思うが,「口述試験情報収集」と言うことで,LECとか早稲田司法試験セミナーがテントを張っている。そのテントに受験生が集まり,情報交換−今日はこの論点が出たから,明日以降の試験ではこの論点は出ない等々−をしているのだ。
 その中で,(たぶんLECだったと思う)でくつろいでいたら,ある女性の口述試験受験生とお友達になってしまった(在日韓国人の女性)。とてもおきれいな方なので,「これから渋谷周辺でお食事でもしませんか?遊びませんか??」と述べたら断られた。

 試験会場でいかにも秀才そう(中島らもに似ている)な男性がいた。イカ天(素人のロックバンドが出演するコンクール番組)に出演したことがあると言っていた。その受験生は,国際私法を選択しているということなので,石黒一憲の悪口(有斐閣プリマシリーズの「国際私法」は読んでも全然分からないとか,俳句が趣味らしいが現代的すぎて分からない)とか雑談をしていた。

 そんなこんなして,口述の合格発表があったので合格しているかどうか確認にいったら,落ちていた。仕方がないのでLECが主催する「口述ゼミ(AゼミとCゼミがある。なぜかBゼミはない)」に参加することになった。。
 LECのゼミ会場(日大丸沼書店の近くの八木ビル)には,イカ天ロック男とちびまる子ちゃんが来ていた。私と一緒の研究室で勉強していた男(早稲田大学出身)や在日の女性は合格(44期修習)していた。


 要するに,こういうタイプ(会場等でベラベラ与太話をしたり,話がとっちらかっていたり)が口述試験に落ちるのである。