派閥の話

 弁護士は,弁護士会という業界組織に加入しなければならない。医者は「医師会」に入らなくても構わないらしいが,弁護士は必ず弁護士会に入らないといけない。
 どこの業界団体でもそうだが,弁護士会にも派閥がある。私が所属しているN県弁護士会にも2個の大きな派閥がある。大まかに言えば「政治的な右(保守)・左(革新)」と言う色分けで,新潟市内(120名以上の弁護士がいる)で派閥に入っていないのは,2〜3名だけである。
 別に自分の政治的性向で派閥の所属を決めるわけでなく,イソ弁(勤務弁護士)として勤務する事務所のボス弁(経営者弁護士)の所属派閥に何となく組み込まれるというのが実情である。もっとも,どこの事務所に勤務するかは,政治的指向で決まることが多い。
 そういうことで,私も何となく「左派」の派閥に組み込まれてしまった。
 派閥と言っても年末に十数人集まって,弁護士会幹部の人事を決めるだけで(対立派閥の幹部と談合協議・擦り合わせをするらしいが,末端の派閥構成員である当職はその辺の事情は良く知らない),規約や長老からの指令があるわけでもない。「右派」と反目したり勢力争いをしているわけでもない。