滅私奉公

 奉公と奉仕とは字が違うが,だいたい似たような意味だろう。

ほう‐し【奉仕】
2 利害を離れて国家や社会などのために尽くすこと。「社会に―する
ほう‐こう【奉公】
2 国家や朝廷のために一身をささげて働くこと。「滅私―」

 奉仕や奉公は,それをすることができる経済的時間的余裕があって,初めて真心から(善意から・慈善的精神から,やや差別的だが男気から)すること・できることなのであって,奉仕・奉公というのをやらされる社会や団体は,カルト宗教やファッショ団体と同類である。法律上・教義上の義務としての「奉仕」「奉公」というのは,概念矛盾だろうが,「あくまで任意ですよ。強制でないですよ。」というポーズをとり,奉仕・奉公を行わない者が「信仰的・道徳的に問題がある」とか「(法的責任ではないが)社会的道義的責任を無視したもの」とか「非国民」とか「あいつは男じゃない」と言われるような雰囲気が漂っている場合,あなたの所属している団体・社会・国家は「カルト」「ファッショ」であると考えて良い。
 「奉仕」「奉公」を事実上強制する団体は,「奉仕・奉公で解決すべき問題」と関わっている場合が多い。しかし,関係は「関わり」であって当該団体の「義務」でも「責任」でもない。「問題」のたいていは,国家の不始末によるもので,その解決は国家の責任である。「奉仕」「奉公」に駆り出される団体構成員は戦死・戦災死・餓死・粛清・貧乏・自殺等の運命に見舞われる。
 そういう見地から見ると,最近の弁護士会というのは,「カルト」と言って良いような気がする。

 落合弁護士の最近の記事
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080226#1203986303
 を読んで,「滅私奉公」という言葉を思い出し,これをスローガンとしたカルト・ファッショ国家大日本帝国の末路を思い起こした次第である。
 「滅私奉公」をキーワードして論じたい事柄が2−3あるので,時間がある折ふれてみる。