裁判員

 同じく私が副会長のころ,弁護士会でも「裁判員制度賛成・推進」というスローガンで全弁護士が一致団結した。で,新潟市民一般に裁判員・司法改革を啓発するため,新潟県民会館で「裁判員ミュージカル」を開催した。
 今でもその情景は,ありありと覚えている。
 ちょっと話が逸脱するが,世の中には,「ひどい音楽・歌」というものがある。「ひどい歌」というのは,「耳にこびりついて離れないモチーフ・フレーズ」を特徴としている。
 私と同年代(40代)の者は今でもあの悪魔的な歌が耳にこびりついているだろう。「彰晃,彰晃,しょこしょこ,しょうこう,あさはーらーしょうこーぅ」小学生が集団登下校の際リコーダーで演奏し社会問題になった。
 「裁判員推進」ミュージカルもできれば忘れたい,しかし,耳にこびりついて忘れることができないひどい歌が歌われた。「うそ 偽りは申しません。うそ 偽りは申しません。かーみさーま,仏様」「シホーォ カイカクー (2度上がる)しほーぉぉカイカクゥ」というような歌だった。
 楽屋裏で同業者のピッチを外しまくった歌をモニターテレビで見聞しながら「どっかで聞いたことがある曲だね」「低質な労働歌のノリですよ。もちろん労働歌全部が悪質ではない。インターナショナルとかワルシャワ労働歌なんて芸術的見地から見ても素晴らしい。しかし,これはいったい何なのだ」と弁護士会事務局と語り合った。