ヨハネ受難曲（NHK教育）実況中継

J.S.バッハ ヨハネ受難曲 BWV245 [DVD]

　今日は聖金曜日，教会歴上，イエスが受難された日とされている。

　私のブログは，折々デザインや表題を変えたりしているのだが，注意深い読者であれば，教会歴に合わせてこれらを変えていることが分かるだろう。
　今，NHK教育テレビでヨハネ受難曲を流している（２００８・２・２５紀尾井町ホール）。妻が，「ヨハネ見るのか？」と教えてくれた。「見ない。あれを聞くのはとても疲れるし，エネルギーがいるから」と述べたのだが，実際にはワインを飲みながらだらだら見ている。ちゃんと聞く際は，正座をしてスコアを読みながら聞く。
　「こういう編成であれば，人件費はあまりかからないな。４００万円くらいでやれるかも。燕尾服やタキシード着なくていいし。」等，下世話な方向に関心が行く（声楽−合唱兼ソロ−が合計９人！）。テナーの人（合唱団員兼ソリスト）の髪型や眼鏡のかけ方が新潟県弁護士会会員O.M.によく似ているので少し笑ってしまった。もう一人のテナーはこないだまで新潟地検にいた頭の良さそうな熊のプーさんに少し似ている。

　ヨハネ福音書による受難物語は，以下のサイトがとても良い解説をしています（２００８年３月の記事あたり）。

http://archive.mag2.com/0000110868/index.html

実況中継
１１：１１　ペテロの否認
（イエス）
１１：１２　何か私が悪いことを言ったというならそれを証明しなさい。私が良いことをしたというならなぜ私を打つのか？
（私が弁護人なら，被告人にこんなことを言わせないのだが。）
２３：１４　ペテロに片耳を切り落とされた者の親戚の証言「おまえはイエスの仲間だろう。園（ゲッセマネ）に一緒にたはずだ。（伝聞？）」
２３：１８　アリア　チェロは１台，後ろの大きな楽器はビラダガンバだろうか？

２３：２２　第２部　イエスとピラトとの禅問答の始まりだ。
ピラトはイエスの裁判に乗り気ではなかった。
（ピラト）
（ユダヤの長老に）おまえら帰れ（イエスはなんか罪を犯したのか）。
（ユダヤの長老）
「決して決し決して引き渡さない。こいつが悪人でなければ」
（ピラト）
「おまえたちがその権限で裁けばいいだろ」
（ユダヤ長老）
「私たちには，人を死刑にする権限はありません」
（ピラト）
（イエスに対し）おまえがユダヤ人の王なのか？
（イエス）
それはおまえの考えなのか，それともほかの人たちの評判か？（空気読め。被告人が裁判官に質問してはいけない！）
（ピラト）
（ユダヤ人−訴追側−に対し）俺はユダヤ人じゃないから知らないよ。

（以下解説不能な禅問答に突入）

しかし私の国はこの世のものではないのだ（ナニソレ＞被告人イエス様。KY）
ドゥーザーゲスト！！（おまえが言ったことだ！！）

あぁ，「真理」のお話だ
（ピラト）
「真理とは何か」
イエス
黙秘。

２３：３１
（ユダヤ長老）
「バラバを釈放せよ」

２３：３１
　さっきまでイエス役をやっていた人がアリアを歌っている。

２３：３９
　アリアの演奏でバイオリン程度の大きさなのに弦のネジ巻きが８個くらいある楽器が写された。あれは何だ？

２３：４２
（ピラト）
判決でもないのに，無罪の心証を思わず口にしてしまう。
（ユダヤ人）
十字架に付けろ十字架十字架に付けろ十字架に付けろに付けろ十字架に付けろ十字架十字架に付けろ十字架に付けろに付け字架に付けろ十字架にけろ十字架に付けろに付けろ十字架に付けろ十字架十字架に付けろ十字架に付けろに付け字架に付けろ十字架に

（ピラト）
　（ユダヤ人長老に対し）おまえらが十字架に付ければ良いだろう。

（法実証主義者）
　「私たちには律法があります。私たちの律法によれば，この男は死罪に値する罪を犯したのです」
　自然法論（ピラト）と法実証主義（ユダヤ長老）の対立はこの頃からあった。

ピラトはイエスを釈放しようと努めた。

ピラト提督，あなたがこの男を釈放するならあなたは皇帝の友ではない（訴追側が裁判官を脅迫する。まぁ，私も時々裁判官を脅迫するけど）。

２３：５０　物凄い不協和音「死刑だ。殺してしまえ。十字架に付けよ」
２３：５１
　ピラトは訴追側の脅迫に屈し，被告人イエスの身柄をユダヤ人に引き渡してしまった（裁判官の職責放棄）。

（罪状書きの話）
合唱
　「この人はユダヤ人の王（十字架上の罪状書き）」に文句を付けるユダヤ長老
　「＜この人はユダヤ人の王＞でなく＜この人はユダヤ人の王を自称した＞と書き直してください。」

ピラト
　俺が書いたことは俺が書いたままにしておけ。
　判決書き（罪状書き）を書き直せと裁判官に文句を付けても仕方ないだろう。
（０：０２）
　イエスは十字架上から聖母マリアの老後を１２弟子の一人ヨハネに託する。
　聖書外伝承によると１２弟子の内，天寿を全うできたのは，ヨハネだけだった。パトモス島に亡命したらしい。

０：２９
　合唱終曲。マタイ受難曲の終曲とモチーフはほとんど同じ。どこがどういう風に同じかを解説するためにはマタイのスコアとヨハネのスコアを見比べなければいけないのだが，楽譜なしに聞いてみても一目（一聞？）瞭然。