イギリスの少年凶悪事件を題材とした中学生向け法教育
昨日,当職は五泉市立山王中学に出張し,法教育の臨時チューターを務めた。
教員の皆さんは新潟県弁護士会が「裁判員裁判延期決議」に触発され,この授業を企画したのだそうだ。で,決議案張本人の当職がチューターを務めた(刑弁委員長から「あくまでも中立的に! 中学生を洗脳するなよ」と言われた。)
以下,山王中学に発信したメールを転載する(かなりの補訂あり)。
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(山王中学の先生方,生徒様の皆さん宛。弁護士会向けの報告メールをそのまま転送します。
私が「死刑」や「裁判員」についてどのような考えかは,私のブログを読んでくだされば幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/Barl-Karth/)
昨日,午後1:30,旧村松町山王小学校に赴き,ゲストティーチャーの役目を果たしました。20年くらい前のイギリスの事件で「10歳の男の子2人が2歳の子どもを殺めてしまって,死刑を求刑された」というのを題材としていました(いわゆる「ジェームズ・バルガー事件」)。
http://www.geocities.jp/aphros67/090530.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6
「殺意」について,私は以下のように解説しました。
「人を殺すときは,拳銃とか日本刀とかを使うのが普通だ。あるいは,ロープで首を絞めたり,石を頭に何回も落としたりする。それが殺人のやり方なのだが,しかるに少年らはそのようなことをしていない。」
(山室恵元東京地裁裁判官の真似)
君は中島みゆきの「9月(8分の6拍子,ロ短調)」という曲を聴いたことがあるだろうか。以下のような曲だ
「人を殺すなら9月 誰も見ていない 夜の9月」うろ覚えなので多少あやふやなのだが,この曲を肝に銘じながら今後の服役生活を過ごしてほしい。
「あなたたちが裁判員となって殺人罪を裁く場合,2歳の子どもの司法解剖写真を見ないといけない」
「人を殺す際は,よくよくの動機があるはずだ。例えば「憎くて憎くて殺してしまいたい」とか「この人を殺せば多額の保険金が手に入るという場合だ」10歳の加害者らが2歳の被害者に殺人の動機を持つことはないでしょう」
「私の結論は<傷害致死>です」
「10歳の子どもを<死刑>にするなんて野蛮だと思う。たぶん,保守党のマーガレット・サッチャーが総理大臣のころの事件だと思う。この事件が起きたころイギリスは死刑存置国だったが,その後死刑を廃止した」
などとレクチャーしました。
少しばかり刺激が強すたかもしれません。