日本刑法学会の感想

 督促があったので,アップします。レジュメ等は自宅に置いてきたので(現在勤務先事務所)詳細は,これらを参照して補足します。

 9:30ころ,タクシーにて会場に到着した。会員が三々五々参集している。ちょっと眠い。

1 理事長挨拶
 井上正仁理事長は,演説等をする際,
ア いつも顔を正面に向けて,
イ 右肩を下げて
ウ 顔以下の上半身を斜めに向けて
いる。
 あのような身構えが癖になっているのだろうか?

2 若手の研究報告(後日感想を書く)。
★ 「公共危険犯の現代的意義」 信州大学 星 周一郎 氏

 放火罪(平安神宮回廊放火事件等)を素材として「公共危険犯」と「抽象的危険犯」とは違う様相があるというお話だった。氏は,「独立燃焼説」を支持している由。

★ 「公訴事実の単一性について」 近畿大学 辻本典央 氏
 渥美東洋先生が「何でドイツの学説ばかり参照にして,アメリカの学説は無視するのか!!」と怒り狂って質問をしていた。けっこう迫力のある質問だった。

★ 「因果主義の限界と客観的帰属論の意義」 立命館大学 安達光治 氏
 よく分からない。レジュメを読んで感想をアップする。

3 分科会 「裁判員制度実施に向けた課題と展望」国際会議室 (司会) 北海道大学 白取祐司 氏
「問題提起:裁判員制度実施を前にした諸課題−裁判員裁判、公判前整理手続、司法改革−」 甲南大学 渡辺 修 氏
「連日的開廷、被害者参加と公判活性化の条件」 九州大学 田淵浩二 氏
裁判員制度:法と心理学からの寄与」 北海道大学 仲真紀子 (「なか まきこ」です,「なかま のりこ」ではない)氏 (「原後山治」という弁護士さんがいて「はら ごさんじ」か「はらご さんじ」か「はらごやま おさむ」か紛らわしい人だった)。
裁判員制度・刑事弁護・事実認定」 弁護士 四宮 啓 氏

 弁護士(実務家)としては,既知の話で何ら得られるところはなかった。仲 真紀子さんの話を除く。
 四宮は相変わらず「統治主体意識。統治の主体になる以上多少の負担は受忍すべきである」と言っていた。
 同分科会において,まともな発言をしたのは,土本 武司元検事だけであった。土本氏は,要旨,以下のとおりの質問をした。
「何で死刑・無期等の重大事件から,裁判員裁判を導入するのか,理解できない。練習みたいにしてまず軽い公訴事実について制度導入をしたらどうか」

 これに対し,白鳥は
「このような制度設計をしたのは私ではなく井上正仁理事長(東大教授)ですから,理事長に質問してください」
と回答した。「白鳥はもう殺しても良い奴だ」と思った。
 井上理事長は,同分科会に出席し最前列に座っていたのだが,回答はなかった。
 同分科会には,法務省刑事局付き検事宮崎香織が出席していた。声や容姿が美しいとされている人である。「東京地検特捜部から法務省に転勤した様子だが,今何をやっているの??」と聞いたら,「裁判員関係のお仕事」と答えた。「せいぜい頑張ってくださいね」と当職は捨て台詞を述べた。


4 【第2日】5月18日(日)研究報告 (9:00−12:00) メインホール
「共犯者による捜査・訴追協力と減免的措置の付与」 東北大学 井上和治 氏
 「王冠証人システム」等に関する研究報告であった。私は,事前に同報告の基礎をなしている論文(法学協会雑誌)に目を通していた。
 以下のような質問をしようと思ったのだが,下らない質問なのでやめておいた。

 山口組はきわめて強固なハイアラーキーを形成している。(実話現代2008.june.vol.204 「六代目山口組の『凄さ』とは何か」等参照)
 山口組傘下の三次団体が薬局等を経営している場合,同三次団体を壊滅するためには<王冠証人システム>の手法を用いるのがよいのではないか? 組長と取引しても問題はないだろう。」

 反面,一次団体の長や有力直参のトップを捕まえる場合(いわゆる総長賭博等々)刑事免責を関係者に与えるのが適当ではあるまいか?

5 ワークショップ(法テラスと被疑者国選弁護)
 後で書きます。きわめて濃いメンバー(弁護士兼件学者・日弁連嘱託弁護士・プロパーの弁護士・検事(元大学教員で現在法務省勤務中),最高裁事務総局勤務中の裁判官)であれこれ議論しました。ワークショップは気心しれたメンバーで忌憚のない議論を交わすことが眼目とされているので,議論の内容は,あまり公にできません。

6 二次会
 その後,新倉修先生や静岡の元日弁副会長中村順英氏,アムネスティ事務局長「てらまこ」さんと連れだって飲みに行った(三宮周辺)。フレンド学園を卒業し現在大学院後期博士課程在学中の院生と「被害者・刑事訴訟法の目的」等に関して語り合った。