裁判員制度、不安です 政府「第2の後期高齢医療化」2008.07.27 東京朝刊 4頁 (全678字) 



 来年5月から始まる裁判員制度について、福田政権が世論の動向に神経をとがらせている。国民の参加意識がなかなか高まらず、「新たな国民負担」として政府批判につながるのでは、との懸念からだ。実際に裁判が始まるのは来年7月末以降と見られ、衆院が任期満了となる来年9月に近づくのも、不安材料のようだ。

 我々の読みが当たりつつあるようだ。裁判員制度に関しては,福島みずほがブログで延期法案提出を公約していたが,

http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-881.html

 我々(私が所属している弁護士会の政策研究会)の分析では,「裁判員制度? 何だそれは? 迷惑だ!」と思っているのは,自民党支持等の保守派層だ,との結論であった。で,研究会メンバーの人脈を生かして(弁護士出身の国会議員等々)で政界工作をやろうということで,その実行段階に入っていた。そういう折,このニュースに接した。

 年末には,衆議院解散総選挙の可能性もある。自然解散であっても,来年の9月。折良く,年末には,各地裁から,「裁判員候補者名簿登載通知」が約30万通ばらまかれる。来年の9月には,赤紙をもらった人たちが裁判員をやらされたり,過料10万円でパニクッているころだ。衆議院選挙のころ,大迷惑・大混乱が始まるのは必至である。
 ある事情通から聞いた話だが,保守派の政治家の後援会員から「自分が裁判員候補者名簿に登載されないよう根回ししてほしい」という口利き要請が舞い込んでいるらしい。
 30万人といえば,100世帯に一人くらいの割合である。政治家後援会メンバーが「名簿搭載のお知らせ」に載せられても不思議ではない。後援会員のお友達経由ということまで考えると,これは,票を減らすことになる可能性もある。そうなる前に,とりあえず延期の政策を打ち出して,支持率を上げようか? 
 国民の選挙で苦戦が強いられる可能性の強い自民党は,そういう風なことまで考えているのかもしれない。