日本共産党系弁護士と裁判員

 野村弁護士も触れているのだが,
http://nomura.asablo.jp/blog/2008/08/08/3677901

 裁判員問題に関する共産党中央の転向(あえて「転向」という言葉を使う)がいわゆる共産党系弁護士にどう影響するかは,大変興味深いし,日弁連の会内政治にも大きな影響をもたらすものである。
 共産党は,世情,「上意下達」「官僚的」とか「鉄の規律」とか「スターリニズム」とか言われているが,その本質(体質)はともあれ,身近にいる関係者を見ると,実は,世間が言っているほどではないと思う。

 新潟県弁護士会裁判員延期決議でも,共産党系と位置づけられている何人かの弁護士が提案に賛同してくれたし,(たびたび触れているが)共産党系と言われている自由法曹団日本国民救援会でも最近は,「反裁判員」の声が強い。
 これも私の印象だが,共産党系とされている弁護士でも反裁判員の立場を鮮明にする者は50期代が多かったように思われる。古参の人と違い,イデオロギーや党中央の立場や「面目(従前の自己の言動との整合性を気にする態度)」に捕らわれないという「共産党自由派」と言っても良かろう。
 他方,私たちの提案に反対したのは,20期〜30期の共産党系弁護士が多かった。日弁連執行部を陰に日に支えている−会長選挙で票をとりまとめたり,日弁総会で委任状を集めたり−のも,実は,これらの人々と言って良い。この世代は,党中央の方針に忠実な人が多い。古参の方々なので,「面目」もあることだろう。ただし,本当の腹の底は,「裁判員は困ったものだ」と思っていたりで,結構悩ましい人たちだ。これらの人を「共産党福音派」と呼んでおこう(本当は,忠○ハチ○とか,ス○ー○○○トと呼びたいのだが,筆禍事件が恐いので止めておく)。
 「共産党福音派」は,定義上,党中央の方針に忠実だから,このたびの党中央の転向方針にも忠実に従うだろう。とりあえずそうなってほしいものだ。しかし,本当にそうなったら,日弁連全体がかなりパニクるだろうね。

 六全協みたいになったりして・・・。