樋渡検事総長は憲法と裁判員法を勉強し直せ!

http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082101000804.html

 樋渡利秋検事総長は(中略)来年5月に始まる裁判員制度について「民主的に決まった以上、(予定通り)実施して、やりながら改善していくのがいい」と述べ、延期や再検討を求める共産、社民両党などの主張に反論した。

 具体的な改善方法として、樋渡氏は「裁判員として法廷に出た人が(問題点など)いろんな意見を出し合って発展していくものだ」と指摘。裁判員経験者の意見も踏まえ、必要があれば3年後の見直しに反映させるべきだとの考えを示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000144-jij-soci

 7月に就任した樋渡利秋検事総長が21日、日本記者クラブで講演し、来年5月から実施される裁判員制度について「国会でほぼ全会一致で採択されている民主主義の申し子だ」と強調、実現に理解を求めた。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?dtype=2&p=%BF%BD%A4%B7%BB%D2

もうし‐ご【申(し)子】
1 神仏に祈って授かった子。「観音様の―」2 《1の誤用から》霊力を持ったものから生まれた子。転じて、特殊な社会的背景から生じたもの。「鬼の―」「戦争の―である思想」

 
 法曹三者の一翼を担う検事総長が,憲法も民主主義も・あろう事か,裁判員法も知らないという現実に驚いている。

1 なるほど,裁判員法は,国会において,(一応)民主的に決まった。民主的に決まったものは,民主的に覆すしかないから,社民党共産党民主党の「民主的政党」が,国会で議論を展開しようとしているのだ。
 それらの政党の見解が,あたかも反民主的なものであるかのように論評している新検事総長の頭の中身を見てみたい。検事総長だからたぶん司法試験に合格しているだろうが,司法試験の勉強以外に憲法の勉強をしていないのではなかろうか? 検事だから仕方がないか?(暴言) もちろん,立派な検事もたくさんいるけど・・・。

2 「民主主義(的意志決定)は間違うことがある」というのが,民主主義の哲学的基礎である。「間違ったら民主主義で直そうよ」ということだ。それも憲法法哲学の教科書に書いてあるはずだが・・・・。検事総長は,司法試験受験生時代,どんな教科書を読んでいたのだろう。上杉慎吉穂積八束だったりしたら,それはそれでほめてやる。

3 「全員一致は民主的意志決定の正しさの証拠」であるかのように,樋渡検事総長は述べているが,これも誤っている。「全員一致」が危険であることは,イザヤ・ベンダサン山本七平)が述べているところである。「お飾りの議会」をもっている(実質的)独裁国家における議会の意志決定は,「全員一致」が通例である。
 スタンディングオベーションアフガニスタン侵攻を決定したアメリカ合衆国議会のおぞましい有様を,樋渡検事総長は知らないのか?
 裁判員法は「民主主義の申し子」ではなく,けだし「民主主義の鬼子」と言うべきであろう。

4 「具体的な改善方法として、樋渡氏は「裁判員として法廷に出た人が(問題点など)いろんな意見を出し合って発展していくものだ」と指摘。裁判員経験者の意見も踏まえ、必要があれば3年後の見直しに反映させるべきだとの考えを示した。」
 検事総長は,裁判員秘密漏泄罪を扇動しているのだよ。この考えを真に受けて,「裁判員経験者(として)の意見」を述べたら,懲役刑になる。たとえ検事総長に対してであっても評議の秘密を漏らしてはならないのだ。管見のかぎり,そのような行為は,秘密漏泄罪の構成要件に該当し,格別の違法性阻却事由は見いだせない。
 検事総長樋渡は,裁判員法さえ知らないらしい。それとも,樋渡検事総長が特別弁護人になってくれるのかなぁ?

5 哲学・憲法・歴史・政治について基本的教養さえない人間が検事総長日弁連会長をやっていると思うと,本当に恥ずかしい。国民の皆さん,本当に申し訳ない。