メサイア 続き

7月8日にメサイア自主練習があり,その後,正式練習が始まる。
指導者は,テナーの声楽家で,結構イタリア風の人だ。

メサイアを歌った人は分かるだろうけど,あれは,激しいメリスマ(16部音符で音階的に上下する・途中で密かにブレスを入れる)が多い。

メリスマは,ちゃんと歌うと体力とテクニックが必要だ。「腹筋運動100回」の運動部的なノリをする指導者もいる(地元のメサイア合唱団ではそういう指導をしている)。

体調の悪いときにメリスマの練習があると大変だ。数年前,「幼児性中耳炎」・「感冒」・「痔」の状態でバッハのマタイを歌ったことがあるのだが(とてくのんさんと一緒だった。独唱が歌っている最中は自由行動で,ワインを飲みながら2階から見学したりしていた),散々であった。高音部(「ミ」)くらいを歌うと,「痔」が悪化するのだ(尾篭な話で申し訳ない)。

ただ,今度のメサイア合唱指導者は,「メリスマは腹筋を使わないで軽く歌ってよい。シャワーを浴びながら鼻歌気分の感じで「ほれれれはれれれ」と軽く流していい(要するにレガート的に歌ってよいということらしい)。−厳格ドイツ系指揮者だと,こういう指導はしないだろう,16部音符の合間を腹筋運動で,きっちりと区切る−。ただし,そういうノリでメリスマを歌うと,数え間違えて1小節多く歌ったりする人もいるから,それだけは注意してほしい」 
と指導しているので,少し安心。

何年か前,往年のソプラノ中沢桂さんにインタビューしたことがあった。「もうこの歳になると,『リジョイス グレートリー』のコロラトゥーラはブレスなしに歌えませんわ」とおっしゃっていた。お部屋には,木目調のベーゼンドルファーのグランドピアノが置いてあった。