ラテン語の試験

 数年前,某合唱団で,ベートーベンのミサソレムニスを歌ったことがあるのだが(驚くべきことにあれを全部暗譜した!!),最終試験は,「ラテン語ミサ通常文の逐語訳」という課題であった。
 こっちは,一応ミサの通常文は暗記して,対応する日本語の意味も分かっているのだが,さすがに格変化をきちんと憶えているわけではない(だいたいカンで分かるけど)。

 「Agnus Dei, qui tollis peccata mundi を 逐語訳せよ」

と言うのが試験科目であった。

  Agnus    Dei,   qui   tollis   peccata    mundi
  金の子牛よ 神の  そは  とりさる  罪を     世の
(世の罪をのぞきたもう,神の金の子牛よ)。

試験用紙が配られた後,20秒で上記のように書いて,試験室を立ち去ろうとしたら,試験監督員(会館の職員)が「まだ試験時間中なので,座っていてください」と言われて,もう少しで切れそうだった。

 その後,私の答案が問題になったのだが,「悪い冗談だろう」と言うことで,パスした。
 それにしても,ミサソレのドナ・ノービス以降は,未だ自信を持って歌えない。何でベートーベンはこんな曲を作ったのだろう?