ジェイコムショック

朝8時に起きて,8時20分ころから始まる「板寄せ」を見ながら朝食を食べるのが日課になっている。で,前日の発注を取り消したり,指し値にしたりということが時々ある。
今週は,サンリオ・ソーダニッカオービック等を利益確定売りし,ヨロズやモスフード・丸栄等を仕込んでいた。だいたい思惑通り上がりはじめていた。

前場は穏やかに推移していた。

12時ころから,後場の板寄せが始まる。パソコンにエアエッジを装着し,レストランやそば屋さんで,後場の板寄せを眺めるのが私の日常である。何か変だ。どの株も窓を開けて下げているのだ。「変だなぁ」と思ってはいたが,張り付いてみているわけにも行かない。3時前後に株価をチェックしたら,日経平均300円下げ,ヨロズ・丸紅インフォ以外の株は棒下げであった。何が起こったのだろうと思い,あれこれ情報を集めたら,みずほ証券ジェイコムの株を1円で60万株以上売り注文したらしい(値幅制限を超えたそんな指し値注文ありなのか? そもそも貸借銘柄じゃないし・・・)。ストップ高5万7000株の売買が成立せず,板は張り付いたまんま引けた。「空売り(全部約定)←(こういうのを<空売り>と表現して良いのかしら? みずほさんは,自社保有の現物株を現物売りするつもりだったのだ)」した以上,みずほさんは,これを買い戻す義務があるのだが,そもそも,発行済み株式以上の株をどうやって買い戻すのだろう? 色んな情報を見ると,買い戻し損失で1000億円以上になるといわれる。ジェイコム社長自身8000株くらいしか持っていないというのだから,みずほさんが頭を下げて「株を高値で売ってくれ」といっても,焼け石に水だよね。
私もアイフル空売りで多少痛い目にあったり,誤発注も時々やるのだが(信用と現物を同時に買ったり,間違って現引きしてお金がなかったり←まぁ,株価が上がったので,結果的に得はしている)さすがに証券会社の自己売買部門は,零細投機家や普通の発想の法律家が想像も出来ないようなスケールの「超空売り」をするものだ。
空売りとは,要するに「自分が持っていない株」を売ることなのだが,「自分が持っていない株」どころか「この世に存在しない株も空売りできる」なんて,思ってもいなかった。証券取引法は勉強したことがないのだが,そんなのありだろうか? 民法上の原理からすると,「この世に存在しない物−生きたフェニックスとか「岩のように揺るがないおんなごころ」とか,日本オオカミ等−の売買契約」は絶対的に無効なのだが・・・。

ともかく,このたびの問題は,みずほグループ全体が責任(尻ぬぐい)を取らなければならないわけで(みずほ証券のみで責任を果たせるとは思えない),証券市場への影響は計り知れないものだろう。

「試しに,3株ほど買い注文してみようかなぁ。ジェイコム(2462)。」と思っている人は多数いるだろう。結局買い注文ばかりで,ストップ高の注文を早い者順に約定させて行くのだろうが,新規買いを捌ききれず,暫時新規買い注文禁止ということになるかも知れない。