ホリエモン再逮捕見送りの真相(憶測)Ja nicht auf das Fest

今日は堀江氏の勾留満期日(風説流布)なので,起訴と前後して「粉飾決算」の再逮捕だろうと思っていた。
「勾留満期→公判請求」されると,それ以降,捜査当局は原則的に被告人(前被疑者)の取調はできなくなる(この辺のことをぐちゃぐちゃ論じ出すと,煩雑になるので省略)。
「風説流布罪」の取調のついでに「粉飾決算の<任意的>事情聴取」で再逮捕のネタを取り,逮捕令状請求→再逮捕すれば,ホリエモン氏は「(粉飾決算の)被疑者」となるので,地検特捜部は,事実上粉飾決算」の仮借なき取調ができる(あくまで,「事実上」ですよ。「法律上」取り調べ受忍義務があるか否かの話ではない。私はミランダの会会員で,司法試験の勉強では平野先生の教科書を読んでいた)。
単なる「風説流布」で勾留中の堀江<被告人>に対して,担当検事が「実は,粉飾決算でちょっと聞きたいことがあるけど,捜査に協力してくれないかなぁ?」と慫慂しても堀江被告人から「やだね」と言われたら,取調はできない。そのうえ,弁護人が保釈請求すると,検察側としては,結構やばくなることもある。
だから,この種の余罪(本件)追及の際は,だいたい先行被疑事実の公判請求の直前に「再逮捕」されるのが実務上の運用である。

ところが地検特捜部は,現時点において,堀江氏を粉飾決算の被疑事実で再逮捕していない。なぜなんだろう? いくつかの推測が可能である。

1 証券取引等監視委員会が,本日の棒下げ相場に狼狽売りし,検事に対して再逮捕を手控えるよう進言した。「(風評流布という軽罪で)東京地検のがさ入れ・逮捕のおかげでライブドア社の株が棒下げしたじゃないか!!!」という検察庁宛苦情電話・インターネット上の書込が一部投機家からあったらしい。
2 特に堀江氏の供述がなくても粉飾決算罪のネタが挙がっているので,敢えて再逮捕しなかった。
3 じゃ,ホリエモン氏の粉飾決算罪の立件(再逮捕あるいはいきなり起訴)はいつか? 恐らくライブドア社の株が底値を付けたあとだろう。本日は,ストップ安比例配分の61円で寄った。値幅制限のことはよく知らないけど,順調に下がれば,明日は31円・明後日には,1円になるらしいので,そのころに立件すれば,「東京地検の不当捜査のために株価が下がった」という苦情は避けられるであろう。


Ja nicht auf das Fest, auf daß nicht ein Aufruhr werde im Volk.