学会のこと

もうすぐイースターで,イースターが終わると学会の季節になる。5月27日−28日は日本刑法学会(立命館),翌週6月3日−4日は宗教と社会学会(同志社),どちらも京都というのがちょっと悲しい。

http://www.clsj.jp/

日本刑法学会は,日弁連刑弁センターや可視化のメンバーも結構参加する(ビートニクスさんとは一昨年広島大学でお会いした)。今年も刑弁センターの岡さんとかがパネリストで呼ばれるらしい。私は日弁連内では「反動勢力」に属していて,刑法学会に顔を出す同業者とは仲が悪い(岡さんや四宮さんや幣原さんとか・・・。ビートニクスさんとは委員会が同じで仲が良いのだけど,立場が微妙に異なる−笑−)。
学会の分科会・ワークショップでは,改正刑訴法とか裁判員とかの研究もあるのだけど,普段仕事にしているフィールドの勉強をわざわざ学会でおさらいしても面白くないので,こういうのはパスする。今年は,高山加奈子先生が「違法性の意識」のパネラーをやるらしいので,そっちに参加する。あと,「法人処罰と刑法理論」で東大の助教授の人が研究報告をするらしい(抜き刷りを送ってもらうようお願いしている)。
一昨年のワークショップではN大のN先生と一緒に「カント・ヘーゲルの刑罰論」に参加し,終了後,メンバーの人とお好み焼きを食べた。
カントは,絶対的応報刑論で知られるが,晩年は目的刑説に変容したと理解できる。この見解の変化の内在的発展形態を研究するということであった。(「人格を手段として扱ってはならない。汝の意思の格率が常に同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ」ということらしい)。
カントという人は,確か80歳くらいまで生きていたのでしょう? 応報刑論を主唱したのがいくつのころか知らないけど,人間80歳まで生きていれば,思想も変わるでしょう。その変化に内的連関とか思想の深化とが必ずしもある訳じゃないと思いますよ。人間,誰でも歳を取れば,思想はマイルドな方向になることが多いのであって,別に理屈を付ける問題じゃないでしょう。と場をぶちこわす発言をしたら,
「弁護士さんの発想はそうかも知れないけど,我々学者は,やはりその変化に弁証法的モメントを見いださないといけない」とか反論された。学者という仕事も結構大変だよね。