日本刑法学会(立命館大学)

日本刑法学会(立命館大学

土曜日から日曜日に架けて日本刑法学会に出席してきた。東大助教授の樋口先生(法人の処罰根拠)は,まだ20代後半らしいのだが,実務的見地からの質問にも丁寧にお答えいただき,とても良い先生だと思った。

分科会「犯罪論と刑罰論」で私の〓(高)山佳奈子先生宛ての「感想文」が紹介されたので,しょうがないから補足説明をした(文化葛藤 イギリス人のダフ屋事件)。高山先生は巷間で言われているほど「不美人」でも「美人」でもなかったが(少なくとも私の好みではない),誠実なお人柄が感得された。(おそらく横山美夏先生の方がずっと美人だと思うが,たぶん高山先生より人柄は悪いと思われる。)
夕方から「刑法学会非公認」のゲリラ的集会(共謀罪粉砕!!)があり,そこに出席した。その際,私は
「刑訴法学者や実務家は反対の声を挙げているのに,実体刑法学者は反対の声を上げないのはおかしい。<犯意の飛躍的表動>とか,<構成要件的結果惹起の現実的危険性>とか今まで議論していたのが,一夜にして水泡のごとく消滅する。我々のこれまでの学問的営為はどうなるのだ!!!」
と発言したところ,某氏が
「この集会に参加しているのは,刑訴法学者より実体刑法学者の方が多いみたいです」
といわれた。 「ビートニクス先生が来るかなぁ」と思ったら同先生は,某重大事件のため日帰りで帰京された様子であった。

 翌日のお昼休み中,私は,私の刑法学の恩師とだべった。
 「センセー,僕ちゃんはカント主義者なのですけど,いつの間に刑法学会でヘーゲルが猖獗したのですか?」
 「Barlくん あれは一見するとヘーゲル哲学なのだけど,突き詰めると社会学なのさ」
 「社会学という事実的学問から刑罰論という規範的学問を基礎付けるなんて,それは,カント学派の僕ちゃんとしては承認できないです」
 「だよね」
と無限ループな雑談に陥ってしまった。

 翌日のワークショップでは高山佳奈子先生がオルガナイザーを務めた「違法性の意識」に参加した。

 私の刑法学の師匠の亭主がそのワークショップに参加されていた。ボルネオ島で30年間潜伏し日本政府によって保護された日本兵みたいな人相風体の人なのだが,「法・違法」に関して若手の刑法学者ネチネチいじめるような質問をしていたので「先生は自然法論者なのですか」と茶々を入れた。

 その後,哲学・法哲学や刑法の基礎理論に興味のある学者が京都駅周辺でコンパを開いた。良くわかんないけど,ヤコブスの理論は,その淵源をたどればルーマンとかの社会学に行き着くらしい。
 現在,法律時報の最新号を精読している最中である。

 (以下,続く)