不良外人は法テラスを使うな!

法テラスは,オーバーステイを拒否します。

最近法テラスや日弁連の批判ばかり記載しているせいか,日弁連からのアクセスが目立つ。
a. [IPネットワークアドレス] 202.32.5.240/29
b. [ネットワーク名] JFBANETWORK
f. [組織名] 日本弁護士連合会
g. [Organization] Japan Federation of Bar Associations
もちろん,アクセスは歓迎する。私の記事を良く読んで,今からでも遅くはないから,考え直してもらいたいものだね。

法テラスの批判は,主として刑事弁護に関して行われているが,民事でも見逃せない問題がある。

Q8. 支援センターは外国人も利用できるの?
民事法律扶助事業については、我が国に住所がなかったり、適法に在留していない外国人の方は利用することができません。
それ以外の業務については、外国人の方も日本人と同じように支援センターを利用していただくことができます。

http://www.moj.go.jp/SHIHOUSHIEN/qa.html#qa8

オーバーステイ在留外国人の人権擁護は,弁護士の大きな役割である(行政書士さんも頑張っている)。特に,在留特別許可の申請など熱心に取り組んでいる弁護士は少なくない。畏友 大貫憲介弁護士は本まで書いている。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-8852-8.htm
従前の弁護士会も「外国人人権相談」を開いている。これは,日弁連から,各単位会に指令が下されるのが通例である。
(余談 ところが,日弁連の偉い人たちは,イスラーム歴のことなど全然知らないので,ラマダンの最中に「相談会」を開くよう指示したりする。ラマダンがどれくらい忙しいのか,日弁連の頭が○けていて現場を知らない爺は知らないのだろう。毎年通訳人をお願いしているムスリム西アジア系言語の通訳人)は,私の友達なので,ラマダンの際にも来てもらっているが,クリスチャンや無宗教の通訳人が美味しそうに昼食を食べているのに,私のお友達のムスリムは断食していた。ラマダンがどれくらい忙しいのかは,一度モスク−日本も沢山ある−に来てみれば分かることだ。私は,ラマダンの儀式に呼ばれてモスク駐車場に車を止めたら,30分以上車が動かせなかった。)
オーバーステイなんだが,日本で仕事を続けたい。何とかならないか? うっかり更新を忘れてオーバーステイになってしまった。どうしたらよいか?」という相談を弁護士会は堂々と受けている。
私も,「何とか在特はとれないか? とれないとしても退去強制後,再入国が出来ないか?」という相談を良く受ける(刑事私選がらみもあるし,純粋な民事上の相談もある)。最近は入管(法務省)の運用が厳しくなり,たいていは悲観的な回答しかできないのだが・・・。しかし,悲観的な回答(例えば,「早く入管に出頭して自費でチケットを買って出国した方がよい」)であってもその回答が最善なものであるならば,それはそれで弁護士としての役割を果たしたことになろう。
「我が国に住所がなかったり」する外国人の民事相談も,私は,受けたことがある。要するに売掛金の回収なのだが・・・。国際電話や,メールのやりとりで相談や下準備を継続した。
この規定だと「中国人強制連行訴訟」も受けられない。あるいは,「日本人が父親の子どもを産んだ後,フィリピンに帰った女性の認知に関する相談」も受けられない。観光ビザで旅行中の外国人が本邦で「オレオレ詐欺」に引っかかっても泣き寝入りだ。−その様な事例がほとんどないからといって,これを切り捨ててしまうのは,日本の法的サービスの評判を落とすだけで,ひいては,ジャパン・バッシングをもたらす可能性もある。私は,2002年日韓共催ワールドカップ大会において「ダフ屋」容疑で逮捕勾留されたイギリス人を弁護したことがあるが,あの事件で,「被疑者援助で弁護してくれ」と言われたら,−現実には,幸い母国から弁護士費用の送金を受けたが−拒否なのだろう(被疑者援助事業は「法テラス」に業務委託される)。
「適法に在留していない外国人」は厳密に言えば,オーバーステイ在留者に限らない。「偽装結婚」・「偽装親子(藁の上の養子)」で在留している人たちも同様である。
特に,最近は,従前フィリピン女性に認められた「エンタテイメントビザ」が事実上廃止され,この種の事案が増加することが見込まれる。たとえばの話「実は偽装結婚なのだが,時たま偽装配偶者がアパートに来る。そのたびに配偶者から金をせびられたり,暴力をふるわれたりする。最近妊娠したのだが,カトリックなので堕胎はしたくない。どうしたらよいか。」というような相談である。
適法な在留資格のある在留者より,上記のような人たちの方が,人権に関わる問題を抱えていることが多い。

このような「不適法在留者の締め出し」が何をもたらすか? 贅言は要しないだろう(相談の「窓口レベル」で「相談拒否」ということになる)

やっぱり,入国管理局(人権侵害の巣窟だと私は思っている)を抱える法務省は,考え方が狂っている。
まぁ,「不良外人」を取り締まる法務省が監督している法テラスに,オーバーステイ等の方々は近づかない方が良いかも知れないけどさ(通報されるかも知れないし)。