法テラスへの苦情(たらい回し・無料はウソ)に関する一考察


http://www.rakuten.co.jp/nonaka/436147/515231/
(タライは通常足または棒を使って回すので,写真のおばさんお兄さん?のような真似は,よい子の皆さんは絶対にしないでください。アタマが呆テケルになる危険性もあります)
法テラスに対する苦情(主としていわゆる「たらい回し問題」)について考えてみた。以下の情報は,各種ブログや法テラス本部に尋ねた結果に基づいて判断したものである。
1 例えば多重債務で苦しんでいる人が,法テラス0570−078374(オナヤミナシです。くれぐれもナヤミムヨウ−783640−カツラ販売会社、XXX-3731(皆裁判 和解や話し合いはしないN県内の法律事務所)、222−良い裁判−4131(N違法裁判所)ではない間違い電話にご注意遊ばせ)に電話する。この電話は,東京にある法テラス本部の「コールセンター」につながる。電話回線は沢山あるのだが,オペレーターが電話に出ないことがあるらしい。
2(1) 相談者において,「扶助要件(収入・資産が低いこと)」を充足する場合は,「法テラス地方事務所」における相談予約(相談は受け付けない。あくまで<相談の予約>に過ぎない」を勧めるらしい。この際は,地方事務所に電話が転送される模様である。しかし,「法テラス扶助相談」は小規模地方都市事務所では,週に2回程度しか行われておらず,相談が実施されるまで,2週間程度待たされることも珍しくない。
(2) 他方,扶助要件を充足しない相談者に対しては各地方単位会(弁護士会)の電話をオペレーターから教示される。
3 相談者の中には,「一分でも早く弁護士と相談したい」と強く要請する人もいる。この場合は,東京・大阪等の大規模弁護士会の「電話窓口」を紹介するようである。
<東京と大阪の弁護士会が法テラス開業に合わせ電話窓口用に計5回線を開設したが、これがパンクした。「何度かけても電話がつながらず、役に立たない」などと苦情が相次いだ。>(各種新聞記事)というのは,どうもこの「電話窓口」のようである。
大阪弁護士会奥村弁護士は要旨以下のように述べており,上記の新聞記事と符合している。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/searchdiary?word=%cb%a1%a5%c6%a5%e9%a5%b9%20%b6%ec%be%f0
■[その他]法テラス」から転送電話「いつも話し中」 回線不足、苦情殺到
 先日、人が足りないというので大阪弁護士会で電話番をしていましたが、関東地方とか北陸地方からの転送電話でびっくりしました。時間が許す限りちゃんとアドバイスしましたが、よその地域の相談窓口はピンと来ない。
(注 債務整理の「相談自体」でなく「相談窓口の相談」であることが窺知できる)

更に
http://kosapingu.exblog.jp/5996491
(弁護士のちょっとブラックな業務日誌 by black_penguin )の陳述は,前記奥村陳述を直接的に補強して余りある。(以下抜粋)
内部では,やばい問題になっているようです。
しかし,この記事及び法テラスに対しては,次の通り反論いたします。
まず東京の弁護士会でやっているという電話相談窓口。これは法律相談電話ではありません。
電話ガイドと呼んでいるもので,いわば法テラスがやっているものの弁護士会版のようなもの。5分程度の聞き取りを前提とするもので,弁護士が直接聞いて,適切な相談窓口を紹介するのが主な業務です。

4 上記した2(2),3の教示で,相談者が地方弱小弁護士会に電話をしてみる。しかし,田舎の単位会は,電話回線を2−3本しか敷設していない(既述のとおり)。恐らく10回くらいの「話し中」を経てようやく弁護士会事務局員が電話に出るであろう。
そうすると弁護士会事務局員は,数日間先の法律相談(扶助基準を充足していないので30分5250円の有料相談)か,手が空いている弁護士(当会では,「民事当番弁護士,多重債務相談当番弁護士−相談料は無料−」を制度化している。)が相談を担当することになる。
5 数々の試練(たらい回し)を経て,ようやく相談者は,弁護士とフェイストゥフェイスで相談できる。その際の相談は無料であることも多いが,多重債務の根本的解決は相談だけは達成不可能である。つまり,弁護士による事件処理(代理委任契約)が必要である。私の事務所では,自己破産や民事再生に関しては,弁護士費用36万7500円と預かり金5万円(事件終了時余剰を返還)で処理している(分割応相談)。いわゆる「内整理(弁護士が債権者と交渉して利限法圧縮,将来利息ストップ,元本60回分割払い払い)」や過払い金返還交渉に関しては,応相談。

6 結論−その1− 
(1) 以上の考察によると,法テラスに相談電話を入れてから,弁護士の事件処理にいたるまで,<法テラス→東京・大阪弁護士会(話し中が多い)→小規模弁護士会法律相談予約(話し中が多い)→相談担当弁護士とのスケジュール調整(数日間先まで予約一杯)→弁護士と相談→弁護士が事件処理>という複数回に亘る「たらい回し」が不可欠である。
(2) たらい回しの上,事件処理にいたるまでは,場合によっては,数週間待たされることがある(借金返済期限が,数日後とか・明日という相談者は大変多い。文字どおり一日を争う相談が多い)。
(3) 度重なる「電話話し中」を経なければならない。
(4) 相談は,有料である場合があるし,弁護士への事件処理委任は当然のことながら有料(数十万円)である。
(5) 「法テラスは無料の法律相談所」と世情言われているが−法テラスはこのような誤解を与えるキャッチフレーズは用いていない−,法テラスに相談しただけで,借金や離婚の問題が無料・迅速に解決されるわけではない。
7 法テラスへの提言
法テラスが業務を開始して,1ヶ月以上を経ている。この際,「多重債務の相談からその解決にいたるまでの日数」,「法テラス相談者からの苦情」について,情報公開していただきたいものである。