法テラスへの誤解について
「法テラス 誤解」という言葉で検索を掛けてみたら,なかなかおもしろい結果が出た。
世の中には変わった弁護士さんがいて,
http://www1.ocn.ne.jp/~mtasahi/main/hoteras.html
法テラスの民事法律扶助を丁寧に説明した上,
お問い合わせは下記まで;
当事務所は、法テラスと契約をしておりませんので、この扶助事業による事件処理を当事務所の弁護士がお引き受けすることはありません。
と宣伝している。
また世の中には,変わった偉い人がいる。
元東京都公安委員会委員長 現法テラス理事長金平輝子女史の有り難いお言葉
http://www.daiichihoki.co.jp/dh/interview/0611/01.do
法テラスで個々の法律相談に答えてくれると誤解している人も多く、紹介する相談窓口の相談もすべて無料だと思っている利用者もいます。法テラスは、いわば迷子の方の道案内、どこに、だれに相談していいのか分からない方に、法制度と相談窓口の紹介をする役割を担い、弁護士や司法書士のような法律相談までは行わないということの周知が必要だと思います。
などと,人ごとのように述べている。
私企業では絶対に通用しない論理だね。商品購入者の半数以上が効能を誤解して商品を買ったとしたら,責任の有無を問わず(半分以上が誤解しているなら,それ自体で「責任がある」と推定して良い)深々と頭を下げ,誤解を解くためのPRをするのが先決だろう。
(http://www.chibanippo.co.jp/_inc/backnumber/news/shakai/061109.php
によれば,
相談問い合わせは、計四百六十九件。このうち約八割が、じかに法律相談を求める内容だった。
とのこと。)
それとも金平女史(元都公安委員長)は「無料だから謝らなくて良い」というお考えなのだろうか?(電話代はユーザー負担なのだよ) さすがに元お役人のことだけはある。今もお役人だからしょうがないか?
おそらく,法テラスは,誤解−無料の法律相談所−を解く積極的PRは決してしないだろう。なぜかといえば,これ以上「窓口紹介相談」が減ると法テラスは危機的状況になるからだ。
例えば,以下のサイト参照。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxidec61/
「誤解しないでください! 法テラスは無料の法律相談所ではありません」
とウェッブのホームに大書したり,着信電話の最初の十秒で「法テラスは,窓口を紹介するだけです。法律相談は一切受け付けません」と自動音声を入れたりしたら,ただでさえ低迷・漸減する相談者は,PRの効果てきめん確実に半分以下(8割以下??)になるだろう。現状の電話の半分以上(8割以上??)は,誤解電話(間違い電話)なのだから。
来所相談(窓口・窓口相談というのだろうか?)もユーザーにとっては無駄だろう。法テラス職員と話したことがあるが,相談時間が2時間以上に及んだケースがあるらしい(前に書いた「法テラス見学記」に書いたお客さんも同様の雰囲気であった)。法テラス職員としては,「仕事をした」という満足感があるだろうが,相談者が数十分以上話した上,その回答が「弁護士会に行ってください。消費生活相談センターに電話してください」じゃ脱力だろうし,怒り出す人もいるだろうし,「欺された」と思う人もいるだろう。
「ユーザーの誤解」は「ユーザーの苦情」に直結する。だから,私は,何回も「法テラスへの苦情を公表せよ」と述べているのに,健康食品のCM見たいな「お褒めの言葉」ときたものだから呆れている。