文人相軽

22日21時着のカーフェリーで上陸し,どうしてもやらなければいけない起案があって,5時間がかりで仕上げ,その日は,事務所に泊まった。
で,1日ぶりに自宅に帰ったら,ダイニングテーブルの上にDVDが3個置いてあった。

ビゼー カルメンカルロス・クライバー
ヨハン・シュトラウス 喜歌劇こうもり(テオドール・グシュルバウアー)
プッチーニ ボエーム(カラヤン ミレッラ・フレーニって魚屋のおばさんみたいな顔つきなので余り好きでない)

妻が,ビゼーカルメンを購入してくれたことに関しては,その意図はよく分かる。祝祭合唱団の練習の出し物だから頑張りなさいという意味だろう。

しかし,「こうもり」・「ボエーム」を買ってきて,わざわざテーブルに置いている意図は,たぶん私への当てつけだろう。ニューイヤーオペラコンサート(飯盛範親指揮 NHK教育生放送)を見ていたら,「今から花束もって渋谷に行けば?」などと言うし,ハイビジョンの同コンサート再放送をHDに収録し,夜中にヘッドフォンを付けて再生していたら,翌朝,「夜通しかぶりつきで正座してみていたでしょう。今度はナマで会えるので,さぞや楽しみでございましょうこと」と言われた。

だいたい,ピアニストと声楽家は仲が悪いことが多く,私の結婚式でフランスものが得意なメゾの歌手(某弁護士の奥方で桐朋→藤原?)に歌ってもらうため,ピアノ(妻が伴奏)でリハーサルをしたのだが,なぜか,その後,両者は険悪な関係になってしまった。
私の妻の生徒さんが,「先生。僕は今日でピアノを辞めます。さようなら」と大声で挨拶し帰って行ったとたん,隣の高級アパートに住む声楽家二期会? ソプラノ 亭主は医者らしい)が高らかな声で,伯爵夫人の倦怠期のアリアを歌ったとか,そういう話が結構多い。