第九の初練習

第九の初練習があり,指導者から「(皆さんと)険悪な関係になりたくないが,なぁなぁの好い加減な指導はしない」との厳しいお言葉があった。語尾の「r」は巻き舌にしない,小節最後の子音は,「外だし」でなく「中入れ」(中出しではない)とのことであった。当たり前だけど,音取り,譜読みは当然の前提とのこと。
入団オーディションは,実は,4−5段階の採点だったらしい。
1 最高レベルは,パートリーダー委嘱
2 ○  甲種合格 第九もオペラ合唱も舞台に立てる。
3 △  乙種合格
3 ×1 丙種合格 第九だけ歌ってもらい,オペラの際は,退出(ステージの収容スペースの問題)
4 ×2 不合格
その他,「合格した後指導者に個室に呼ばれて,発声等の矯正指導を受ける。」とか,「ボイストレ個別指導必須,ドイツ語発音の矯正」という特殊条件の合格者もいたらしい。幸い私は○か△であった。

確かに,合唱指導者と合唱団員との仲が異常な緊張関係に陥ったり,険悪な雰囲気になったりすることはしばしばある(実は合唱団員同士でもそういう関係になることはある。ビブラートが耳障りだったり,ピッチがずれていたりして)。
数年前,レクィエム(モーツァルト)の練習をしたのだが,ラクリモサの「Quaタンタン reタンタン-surタンタン-getタンタン exタンタン faタンタン-vilタンタン-laタンタン(4小節? 8小節?」だけを10回以上繰り返し歌わされたことがあった。指揮者は,合唱団の歌唱のどこに問題があるのか全く指摘せず,ただただ反復練習を求めたのだ。「8分音符(8分休符 8分休符)」のテンポがずれているのだろうかと思ったが,そういうのは,反響とか音速の問題もあり,合唱団席と指揮者席とでは響きがずれるのであって,初期の練習の段階では,仕方がないと思う。どこがどう悪いか指摘もないままスパルタ的に反復練習を強いられれば,そりゃ指揮者と合唱団との仲は険悪になると思うよね。

ドッペルフーガは難しい。