「裁判官による人殺し」と「裁判員による人殺し」

 この問題は新潟県弁護士会総会(2/29)で,「死刑と裁判員」に関して議論になった。この点について私は,あまり詳しく考えていなかった。「裁判官は,人を殺すという重圧に耐えるために,とても高い報酬をもらっている。年俸を1000万円と見ると,日給3万3333円になる。反面,裁判員は1日1万円,3日3万円で人を殺すことになる。どう考えても見合わない」とその場の思いつきで答弁した。これはまずいと思った共同提案者(東北大学在学中に旧司法試験に合格した小田中俊聰樹の弟子)は,<Barl会員の答弁は少し間違っている>と応援演説をしてくれた。
「裁判官と裁判員の違いはお金を沢山もらえるかどうかではない。
1 裁判官はその職務上,「場合によっては人を殺さなければいけない−死刑判決を言い渡さなければならない−」ということを覚悟して「裁判官」という職を,自ら選んだのだ。
2 「裁判員」は違う。自らの意思で裁判員になったわけでもないのに,訳もわからないまま人殺し(死刑判決)の手伝いをさせられてしまう。
両者の違いは決定的ではないか?」

というものであった。