恒産なくして・・・

 その上,弁護士は誘惑が多い仕事だ。お金のことだ。たとえばの話,サラ金から取り戻した過払い金(預かり金)を多少ちょろまかしても容易に足はつかない。お客さんの経済的困窮に乗じて体で払ってもらったり(実例あり)。
 私も金銭欲はあるから,お金はできるだけたくさん稼ぎたい。そうはいっても,マイホームを買い,子どもを大学に上げ,たまに旅行に出かけたり庶民的な飲み屋さん行ったり芸術活動をしたり,その程度の生活で十分だと思っているし,好きな仕事−外国人刑事弁護や公害事件,法哲学や神学の本を買いまくる,ブログや月刊誌に好き勝手なことを書きまくる−をやっていても,現時点では,何とかその程度の稼ぎはある。たいていの弁護士さんの金銭欲はその程度のものだろうと思う。
 そういう普通の生活を確保したいというまっとうな希望が「ギルド」とか「業界エゴ」とか「既得権益にあぐらをかいている」とか批判されても困る。
 年間3000人なんてことをやらかしたら「職業としての弁護士」は成り立たなくなるだろう。売り上げ(くどいが所得ではない)25万円じゃ,離婚して生活保護を受けるしかないだろう。この年で親からの援助などあり得ないしね。(例の弁護士さんは,41歳で親からの援助だから,富裕層の師弟なのだろうか?)
 ある日弁連会長候補は,夢のようなこと(寝ぼけたこと?)を公約に挙げているが,鳩山の政策変更(閣議決定するらしい)にどう対応するのだろう? 今さら「法相の姿勢を評価する」というわけにも行かないだろうに。タナボタか?