裁判員裁判における公判手続の併合,公判手続の更新等について

 新聞報道等でご承知と思うが,現在,当職は,裁判員裁判対象事件の弁護人を担当している。公訴事実は複数に及び,裁判員対象事件としては,強制わいせつ致傷,非対象事件としては,強制わいせつ,強姦未遂,窃盗,同未遂,住居侵入(これは強制わいせつ,窃盗と牽連犯関係)があり,今後も複数回の追起訴が見込まれる。
 この論考では,本件のように裁判員対象事件と非対象事件とが併合罪の関係にある事件について弁論の併合(あるいは不併合),公判手続の更新のあり方について,若干の考察を加えるものである。

 なお,私は,裁判員制度は,憲法違反であり,即刻廃止されるべきものと考えているが,この点に関する主張は,外に譲り,本論考においては,できる限り,実務的・理論的な考察を進めることとしたい。